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ぼくのともだち

エマニュエル・ボーヴ(白水社)

 傷痍軍人の「ぼく」は、年金をもらって細々と暮らしている。孤独で寂しい彼は、街へ出ては友人になってくれそうな人を探す。が、彼の期待はいつも裏切られる……。

 主人公が友達になれなかった五人の人物が登場する。その五人というのが実はマトモで、オカシイのは主人公のほうなのである。
 まず、友達が自分より幸福なのが許せない。そう、明確に彼は「許せない。」と思うのである。醜い嫉妬心を恥じるどころか、そういう相手とは「絶対理解し合えない」とまで思っている。
 また、親切にしてくれた人にも、恩をあだで返すような真似を平気でする。
 とにかく身勝手で腹黒い「ぼく」。だが、彼があまりにも幼稚ですっとこどっこいなので、怒る気力さえ削がれてしまう。
 彼はいつか自分の愚かさに気付くのだろうか。気付かなそうだな、まぁ勝手にいつまでも悩んでろ、と読了後思わず苦笑してしまった。
90点
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