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ねじれた文字、ねじれた路

トム・フランクリン(早川書房)

 自動車整備士のラリーは、16歳のとき、ある少女の失踪事件の犯人と目され、それからずっと孤独な人生を歩んできた。
 サイラスは14歳のとき母親とともに街に流れつき、今は治安官として生活している。白人と黒人という人種を超え、幼い頃2人は友情を育んだ。が、少女失踪事件を機に、2人は別々の「路」を生きることとなる。そんななか新たな失踪事件が起き、また2人の人生は交差し始める……。

 気は小さいけれど優しいラリーの哀愁が、ストーリー全体を包み込んでいる。1人はいやだ、誰か助けてと彼は心の中で叫び続け、その想いが過酷な運命を招きよせてしまう。
 彼がもう少し器用に生きることが出来たなら、サイラスがもう少しラリーに心配りが出来たなら、彼らの人生は違ったものになっただろう。「路」はねじれずに済んだかもしれないのに。そう考えるとラリーが余計哀れに思えた。
80点
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