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少女地獄

夢野久作(角川書店)

 4つの中・短編が収められている。

 表題作の『少女地獄』。
 病院開業の前夜、臼杵医師のもとに姫草ユリ子と名乗る少女がやってくる。彼女は看護師として雇われ、その美貌、腕の確かさから皆の信頼を得る。がしかし、彼女には重大な秘密があった。それは病的なまでの虚言癖だった……。

 嘘を正当化するために、さらに嘘を重ねるユリ子。初めは彼女の言動に嫌悪しか感じなかったが、次第に彼女が哀れに思えてきた。
 必要のない嘘をついて自分の首を絞める彼女は、まるで自分の尾を飲み込む蛇のようである。悪循環の極みだ。

 ひとつ愉快だった点は、男性はみな彼女に騙されてしまった、ということ。対して、女性は多少疑いの目で彼女を見ていた。女は直感的に女の魔性に気付くのである。

80点

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