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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹(文藝春秋)

  高校時代、多崎つくるには4人の親友がいた。完全無欠な共同体のような5人だと思っていたが大学2年の夏、つくるは突然グループから切り捨てられる。30代半ばとなった今でも、それは彼の心に大きな傷を残していた……。

 なぜつくるは友だちに切られたのか、その謎が気になって途中まではぐんぐん読んだ。が、次第に彼の言動に違和感が募った。
 裕福な家に育ち、見た目も良く、女性にもてて、希望する職業に就いている。なのに彼は自分をからっぽな人間だと思い、虚無感に包まれている。ん? これってただの自意識過剰な人? そう思ったが最後、すべてに「?」マークがともった。
 それに友人たちもおかしい。つくるの人間性を否定するようなことをしておきながら、そうするしかなかった、と語る彼ら。いやいや、方法はいくらでもあったはずだ。本当はつくるの味方だと、そっと耳打ちするだけでも良かったのに。
 とまぁいろいろ書いたが、Amazonの「もっとも参考になったカスタマーレビュー」が、この違和感をあますところなく書いていて抜群に面白かった。
 つくるくん、いつまでもたそがれていると今の恋人にもそっぽ向かれるよ、余計なお世話だけど。
70点
 
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