湊かなえ(双葉社)
20年後の自分から届いた手紙。父親を亡くしたばかりだった10歳の章子は半信半疑で手紙を読む。やがて中学生になった章子。頼りなかった母親は料理人の早坂と出会い、共にレストランを開店する。安堵したのも束の間、学校ではいじめが始まり、つらい日々を送る章子だったが……。
章子が未来の自分へ手紙を返信するかたちでストーリーは進んでいく。子どもっぽい内容であったのが、次第に運命を呪うような過酷なものへと変わっていく。そのあたりの変化が読ませる。
またエピソードごとに語り手、視点が変わるので飽きずに読めた。
親や周りの大人に絶望する子どもが何人も登場するこの作品。読んでいて非常に苦しかった。貧困、暴言、暴力。子どもの「未来」を奪って平気な大人たち。報いを受けろと強く思ってしまった。
あとひとつ、誰の何の話なのかがわかりづらい箇所がけっこうあった。「素敵な」恋の忘れ方なのか、「素敵な恋」の忘れ方なのか、判然としないと意味を取り違えそうではあった。
85点
20年後の自分から届いた手紙。父親を亡くしたばかりだった10歳の章子は半信半疑で手紙を読む。やがて中学生になった章子。頼りなかった母親は料理人の早坂と出会い、共にレストランを開店する。安堵したのも束の間、学校ではいじめが始まり、つらい日々を送る章子だったが……。
章子が未来の自分へ手紙を返信するかたちでストーリーは進んでいく。子どもっぽい内容であったのが、次第に運命を呪うような過酷なものへと変わっていく。そのあたりの変化が読ませる。
またエピソードごとに語り手、視点が変わるので飽きずに読めた。
親や周りの大人に絶望する子どもが何人も登場するこの作品。読んでいて非常に苦しかった。貧困、暴言、暴力。子どもの「未来」を奪って平気な大人たち。報いを受けろと強く思ってしまった。
あとひとつ、誰の何の話なのかがわかりづらい箇所がけっこうあった。「素敵な」恋の忘れ方なのか、「素敵な恋」の忘れ方なのか、判然としないと意味を取り違えそうではあった。
85点
PR
この記事にコメントする