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よしなしごとども 書きつくるなり
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平野啓一郎(文藝春秋)

幼い息子を病気で亡くし、夫とも離婚した里枝。やがて彼女は谷口大祐という男と再婚するが、彼も事故で亡くなってしまう。しかも大祐は全くの別人だということがわかり、困り果てた里枝は、弁護士・城戸に相談するが……。

筆者の作品を初めて読んだが、非常に面白かった。勝手にスカした小説家だと思い込んでいたが、確かにスカした文章だったが、面白さが不快さを上回った。

登場人物たちは、それぞれに過去を背負って生きているが、「愛してた」という事実は相手の過去を知ったら変わるのか? という命題が突き付けられる。
優しくて子ども思いだった大祐、しかし過去に関する話はすべて嘘だった。いつか打ち明けるつもりだったのか、それさえももう分からない。里枝のとまどい、逡巡は察するに余りある。
だからこそ終盤で彼女がみせる、ある決意は輝きを放っていたと思う。

以下、余談。
城戸は在日三世という設定だったが、それ要る?
帰化しててほぼ日本人だし、本人が無理に隠そうとしているわけでもないし。
詐欺師に指摘されるシーンでは背筋がぞくっとしたけど、まさかそのためだけに入れたんじゃないよね? と疑問がわきました。
90点

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