津原泰水(集英社)
定職にも付かずにブラブラしている猿渡。彼の知人の小説家、「伯爵」。二人が出会う奇妙な事件の数々。
短編「猫背の女」を紹介しよう。
猿渡に付きまとう、病的に猫背の女。
辟易した彼は姿をくらますが、あるときばったり再会してしまう。
彼女に誘われるままにボートに乗る彼だが、そこで身の毛もよだつ経験をする……。
ラストの3ページ、抜群の臨場感である。女性の狂気の描き方が上手い。
その他、「埋葬虫」もぞっとする話であった。
85点
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