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罪の声

塩田武士(講談社)

俊也が自宅で見つけたカセットテープには、子どもの声が入っていた。それは紛れもなく、ある大事件で使われた脅迫テープの声であった。声の主は幼いころの自分? 俊也の疑念は膨らんでゆき……。

言わずと知れたグリコ・森永事件。迷宮入りしてしまったその事件の真実に迫る本作。とてもリアリティーがあって、ノンフィクションかと思うほどである。事件の経過、犯人たちの行動、心情が微に入り細を穿つように描写されている。

本作の中でも発生から30年余りが経ち、時効を迎えているこの事件。それを俊也と、新聞記者の阿久津がおのおの追及してゆく。
自分が犯行に関わったかもしれないという俊也の恐怖感。何とか真実を突き止めたい阿久津の執念。それらが混じりあって、物語はどんどん熱を帯びていく。両者が代わるがわる語る構成がうまい。

この作品を真犯人も読んだだろうか。
ぜひとも感想が聞きたいものである。
90点

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