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よしなしごとども 書きつくるなり
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柴田錬三郎(筑摩書房)

短編集。「盲目殺人事件」を紹介します。
大学を中退した国屋は根っからの不良。あるとき中年婦人・知子と知り合う。彼女の夫は盲目で性的不能者であった。
国屋は知子夫人とねんごろとなり夫の殺害計画を立てるが……。

初めてシバレンを読みました。歴史ものはまったく興味なしなので、ここまで出会うことがなかったのです。
でもさすがは大作家でございます。こんな短い小説でも読ませる読ませる。
夫の葬儀のシーンから始まり、時間が行きつ戻りつします。まー面白いったら。
そして国屋のような男が考えそうなことを見事に描き出しています。
夫人が憔悴している様子を「死んだような46歳の肢体を抱いた(略)やつれはてた顔を眺めている不快さに堪えられなくなって(略)」っておい。
ラストもよかったです。そのシーンが目の前に浮かび上がってくるようなラストでした。
90点

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