佐野洋子(新潮社)
いつもはつらつとして、どこへ行くにもきちんと化粧をする母・シズコ。幼いころ、つなごうとした手を振り払われてから、私・洋子は母を嫌悪するようになった……。
現実的で社交的でくじけない母。そんな母親を好きになれない娘は、ずっとずっと自分を責めた。母が認知症になって初めて謝罪することが出来た。
彼女の感情はいわゆる同族嫌悪なのだろうか。同じくらいの強さ、冷たさが二人の根底には流れている。相手のなかに、自分の嫌な部分を見ている。これでは歩み寄れまい、と思った。
私と実母は性格が正反対でお互いを理解できない親子だ。だが、たぶん互いに諦観することで、少し歩み寄ることができた。私たちは、シズコさんと洋子さんよりはマシなのかもしれない。
80点
いつもはつらつとして、どこへ行くにもきちんと化粧をする母・シズコ。幼いころ、つなごうとした手を振り払われてから、私・洋子は母を嫌悪するようになった……。
現実的で社交的でくじけない母。そんな母親を好きになれない娘は、ずっとずっと自分を責めた。母が認知症になって初めて謝罪することが出来た。
彼女の感情はいわゆる同族嫌悪なのだろうか。同じくらいの強さ、冷たさが二人の根底には流れている。相手のなかに、自分の嫌な部分を見ている。これでは歩み寄れまい、と思った。
私と実母は性格が正反対でお互いを理解できない親子だ。だが、たぶん互いに諦観することで、少し歩み寄ることができた。私たちは、シズコさんと洋子さんよりはマシなのかもしれない。
80点
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