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よしなしごとども 書きつくるなり
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久坂部羊(幻冬舎)

 麻痺して動かなくなり、回復の見込みも無い手足のことを廃用身という。漆原医師は、本人のみならず介護者にも負担増となるその廃用身を、切断することを思い付く。
 その画期的な方法は、行き詰まりを見せている老人介護に、希望の光を投げかけたかのように見えたが……。

 ノンフィクション? と思わせるような、凝った作りになっている。
 たぶん一部は真実なのだろう――介護者の1/3が、お年寄りに憎しみを抱いている、想像を絶する虐待が行われている等々――恐ろしいことだが。
 さて、果たしてこの療法は是か非か。筆者はどちらとも断言はしていない。
 が、漆原の持つ根源的な闇の部分をこういうふうに描いたということは、心情的に非なのかもしれない。
 だけれど近い将来、老人介護が立ち行かなくなったら、非とばかりも言ってられないのでは? そんな問いかけを発しているようでもある。
70点
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