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猫を拾いに

川上弘美(マガジンハウス)

 短編集。21の作品が収められている。
 『クリスマス・コンサート』と『旅は、無料』が、対になっている話で面白かった。
  夢のない女・坂上の視点で書かれた前者。そして彼女の友人である千絵の視点で書かれた後者。
  坂上はモテるのだが、本人はまったくそれに気付かない。鈍感で、かわいい(見た目ではなく、形容しがたい何かが)ところがポイントらしいのだが、そんな彼女に千絵は軽い嫉妬を覚える。
  学生時代に出会った二人が、時を経て再会するのだが、そのときの会話が、良いのだ。
  坂上に「かわいいよ」と言われた千絵は思う。「かわいい」八段の坂上に言われても、と。千絵の言葉が、気が利いていて楽しめた。

  蛇足ながら。
  この本の中に「僕は、爆笑した」という記述があった(P.139)。大勢の人が笑うのが「爆笑」で、一人で笑うのは爆笑ではない。川上氏が知らないなんて……いや、わざとなのか? 謎。
90点

ワタシの一行
「女はたいがい、可愛いか、怖いか、無関心か、過剰かだ。」(単行本 P.86)
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