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おめでとう

川上弘美(新潮社)

 12の短編が収められている。
 私が好きなのは「夜の子供」。
 二年間一緒に暮らした竹雄と、五年ぶりに偶然再会した朝子。二人はなんとなくナイターを見に行くことになり、そこでとりとめのない話をする。
 勝手なことを言う竹雄に、腹を立てる朝子。でも言い返したりはしない。「言い返して、なんとしょう」。そんな表現が、朝子の竹雄に対する距離感をうまく描いている。

 小物の使い方もまた絶妙である。竹雄の差し出すイチゴミルク。あの甘い味が私の口にも広がるような感覚をおぼえた。
 こういう何気ない短編集こそ、川上氏の真骨頂を示すものだ(でも長編も好きだけど)。
85点
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