Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
こども哲学 よいこととわるいことって、なに?
オスカー・ブルニフィエ(朝日出版社)
「おもったことはなんでも口にするべきだろうか?」
「ひとにやさしくしようとおもう?」
などの六つの質問に、いくつかの答えが出ていて、さらに
「そうだね、でも…」
という問いが発せられる。
子供の「なぜ?」を楽しく考える絵本だそうだ。
たとえば前述の最初の質問には
「うん、そのほうが、すっきりするもの」
「そうだね、でも…自分ひとりの心の奥に、そっとしまっておいたほうがいいことだって、あるんじゃない?」
と書かれている。
大人でもこれが出来ない人間が、いる。
というわけで、大人が読んでも考えさせられる絵本である。
挿絵は、鋭く問題の核心を突いていながらとぼけた雰囲気の絵で、なかなか見ごたえがあった。
「おもったことはなんでも口にするべきだろうか?」
「ひとにやさしくしようとおもう?」
などの六つの質問に、いくつかの答えが出ていて、さらに
「そうだね、でも…」
という問いが発せられる。
子供の「なぜ?」を楽しく考える絵本だそうだ。
たとえば前述の最初の質問には
「うん、そのほうが、すっきりするもの」
「そうだね、でも…自分ひとりの心の奥に、そっとしまっておいたほうがいいことだって、あるんじゃない?」
と書かれている。
大人でもこれが出来ない人間が、いる。
というわけで、大人が読んでも考えさせられる絵本である。
挿絵は、鋭く問題の核心を突いていながらとぼけた雰囲気の絵で、なかなか見ごたえがあった。
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ぼくははちぞう
葉 祥明(愛育社)
はちどりの巣で卵から孵ったのは。
羽があって、鼻が長い、蝶々のような象のような「はちぞう」だった。
言わずと知れた葉祥明の絵。
若草からディープスカイブルーへのグラデーションなど、中間色が夢のように美しい。
ストーリーは単純なようでいて、個とは何かを問いかけてくるような深みもある。
おまけに英訳まで付いていて
「ちゅっちゅっちゅっ」
と花の蜜を吸う音は
「Surp surp surp」
なんてことまで分かるのである。
はちどりの巣で卵から孵ったのは。
羽があって、鼻が長い、蝶々のような象のような「はちぞう」だった。
言わずと知れた葉祥明の絵。
若草からディープスカイブルーへのグラデーションなど、中間色が夢のように美しい。
ストーリーは単純なようでいて、個とは何かを問いかけてくるような深みもある。
おまけに英訳まで付いていて
「ちゅっちゅっちゅっ」
と花の蜜を吸う音は
「Surp surp surp」
なんてことまで分かるのである。
ごんぎつね
新美南吉(偕成社)
小学校の国語の教科書に抜粋が載っていたような、あやふやな記憶があった。
で、ずっと気になっていて大人になってから絵本を買ったのだが、これが大感涙巨編(いや、長い話じゃないんだけど)だった。
いたずらもののごんぎつねはいつも悪さばかりしているが、本当は優しくて思いやりがある。
でもわかってもらえなくて、最後には……。
童話がこんなに理不尽でいいのか? と疑問にさえ思えるラスト。
小学校の国語の教科書に抜粋が載っていたような、あやふやな記憶があった。
で、ずっと気になっていて大人になってから絵本を買ったのだが、これが大感涙巨編(いや、長い話じゃないんだけど)だった。
いたずらもののごんぎつねはいつも悪さばかりしているが、本当は優しくて思いやりがある。
でもわかってもらえなくて、最後には……。
童話がこんなに理不尽でいいのか? と疑問にさえ思えるラスト。
ボヴァリー夫人
フローベール、姫野カオルコ(角川書店)
19世紀のフランス。
夢見がちな少女エマは、医師シャルル・ボヴァリーと結婚する。シャルルは人は良いが、退屈な男だった。エマはついに不倫に走るのだが……。
姫野カオルコの文がテンポ良く読ませる。「智恵子抄」をもじったり、「星影のワルツ」を挿入してみたり。
そんなふざけているような手法が、長々とした心理、情景描写よりよっぽど優れた説得力を持つようだ。
終盤の物悲しさも心に沁みた。きっと夫は、何があっても自分を許す……その予感に耐えられなくなるエマ。彼女の苦悩がひしひしと伝わってきた。
木村タカヒロ氏による、コラージュを多用した絵も素晴らしい。絵と文章がお互いを高めあっている。
19世紀のフランス。
夢見がちな少女エマは、医師シャルル・ボヴァリーと結婚する。シャルルは人は良いが、退屈な男だった。エマはついに不倫に走るのだが……。
姫野カオルコの文がテンポ良く読ませる。「智恵子抄」をもじったり、「星影のワルツ」を挿入してみたり。
そんなふざけているような手法が、長々とした心理、情景描写よりよっぽど優れた説得力を持つようだ。
終盤の物悲しさも心に沁みた。きっと夫は、何があっても自分を許す……その予感に耐えられなくなるエマ。彼女の苦悩がひしひしと伝わってきた。
木村タカヒロ氏による、コラージュを多用した絵も素晴らしい。絵と文章がお互いを高めあっている。
あかいふうせん
ラモリス・作、岸田衿子・文(偕成社)
パスカルという男の子は、ある日不思議な赤い風船を見付ける。
自分の言うことが分かって、自分の後を付いてくる風船。
子犬みたいにいとおしい風船。
何冊かあるこのシリーズ。
いわさきちひろの絵が繊細で美しく、甲乙つけがたい良い作品ばかりである。
この作品ももちろん、子供たちがとても生き生きと可愛らしく描かれていて素晴らしい。
ちょっと暗いトーンの街中を、元気に走る歓声が聞こえてきそうである。
パスカルという男の子は、ある日不思議な赤い風船を見付ける。
自分の言うことが分かって、自分の後を付いてくる風船。
子犬みたいにいとおしい風船。
何冊かあるこのシリーズ。
いわさきちひろの絵が繊細で美しく、甲乙つけがたい良い作品ばかりである。
この作品ももちろん、子供たちがとても生き生きと可愛らしく描かれていて素晴らしい。
ちょっと暗いトーンの街中を、元気に走る歓声が聞こえてきそうである。
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