忍者ブログ

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹(文藝春秋)

  高校時代、多崎つくるには4人の親友がいた。完全無欠な共同体のような5人だと思っていたが大学2年の夏、つくるは突然グループから切り捨てられる。30代半ばとなった今でも、それは彼の心に大きな傷を残していた……。

 なぜつくるは友だちに切られたのか、その謎が気になって途中まではぐんぐん読んだ。が、次第に彼の言動に違和感が募った。
 裕福な家に育ち、見た目も良く、女性にもてて、希望する職業に就いている。なのに彼は自分をからっぽな人間だと思い、虚無感に包まれている。ん? これってただの自意識過剰な人? そう思ったが最後、すべてに「?」マークがともった。
 それに友人たちもおかしい。つくるの人間性を否定するようなことをしておきながら、そうするしかなかった、と語る彼ら。いやいや、方法はいくらでもあったはずだ。本当はつくるの味方だと、そっと耳打ちするだけでも良かったのに。
 とまぁいろいろ書いたが、Amazonの「もっとも参考になったカスタマーレビュー」が、この違和感をあますところなく書いていて抜群に面白かった。
 つくるくん、いつまでもたそがれていると今の恋人にもそっぽ向かれるよ、余計なお世話だけど。
70点
 
PR

通じ合ってるねぇ

ゆうべテレビで
「年頃の娘が突然父親に『一緒にお風呂に入ろう』って言ったら、父親はどうするか?」
ってのを放送していました。

娘に
「これ、おとうさんに言ってみなよ」
と言うと
「やだよー」。
あら、やっぱり恥ずかしい? と聞くと
「いや、一緒にお風呂はそれほどイヤじゃない」
「えっ、そうなの?」
「だけど、おとうさんにそう言って、実は反応を見るための嘘でした、ってやるのがイヤだ」
「ん? どういうこと?」
「おとうさん、そういうの通じないじゃない? きっと怒り出すよ」。

はぁぁ、私が20年ほどかかって理解した(ような気がする)ダンナの性質を、娘ったら15年たらずで見抜いたんだねぇ。

という話をダンナにしたら
「うれしい、オレを分かってくれてて。血が繋がってるんだな~。アナタとは他人だけど」。

けっ、よござんしたね。


手際が悪すぎなんだ、結局


娘が中学に入ってから2年間、お弁当を作ってきました。
何度も書いているように、それはそれは手抜き弁当でした。
もし冷食の数グランプリがあったら、ぶっちぎりで優勝できそうなほど。

がしかし、そんなおいらに転機が訪れた。

連休中に暇をもてあまして近所の大きな書店に行ったとき、画像の本が目に留まりました。
ぱらぱらと見てみたら、おかずを作りおきすれば朝は詰めるだけ! という、なんとも魅惑的な文言が。
しかも「冷蔵なら○~○日、冷凍なら○日くらい」と、日持ち日数が明確に書かれていたのです。

いいねぇ。
それが知りたかったんだよ。
おかずの作りおきってよく聞くけど、それってどこまでいけるのさ? と疑問だったもので。

ちうわけでこの本をお買い上げて、早速何品か作ってみました。
ちょっと味付けが濃い目かな? という気がしないでもないけど、まぁおいしかったです(自分も食べてみた)。

しかーし。
「作りおき」に大きな罠があったのだ。
夕食とは別に、さらに料理をしなくちゃいけないんだもの。
あーーー時間がかかる~、夕食が間に合わない~、あせる~とぶつぶつ言いながら料理をしていたら、見かねた娘が
「もういいよぉ。無理しないほうがいいよ」。

これねぇ、夕食の献立の一部として作れればいいのでしょうが、娘は同じおかずが続くのが嫌いときてますから。
結局朝は作らないけど、どこかでは作る、その時間が足りないってことに気付いちゃいました。

かくして「おかあさんの愛情たっぷり手作り弁当」への道は、ほんの数日で閉ざされましたとさ。

終わっちゃった

GWも終わってしまいましたね。
ほぼ予定が無かったので、頭の中では「あれとこれ」をやろう、と思っていたのに、たいした捗らず。

・数年越しで作っている刺繍を進める
・冬の服を全部しまう
・古本を売る
なんてこと。
1日に映画を観にいってからというもの、ずーっと風邪っぽくて気分がのらなかった、っていうのが敗因ですな。

そうだ、何日だったか、一家おそろいでデパートへ買い物に行きました。
娘が、そのデパートに「リンジィ」(子供服)が入ったから行きたいって言うもんですから。

聞いたことないブランドだねぇと思いつつショップへ行ってみました。
何が欲しいの? カットソー? どれどれ?
と値段を見てびっくり、ろ、ろくせんえんって、あーた。

最近は○ニーズだの○ンクラテだの、安めの服で済んでいたので、久々のファミリア級の値段に驚いちゃったよ。
で、よくみたらナルミヤの系列なのね……強気な値段に納得。

まぁどっちかっていうと安い服を使い捨て、よりもちょっと高くても長く着られる服のほうが良いと思っているので、Tシャツを2枚、お買い上げ。
「あと~サンダルとバッグも欲しいんだ~」
は却下しておきましたけど。


なめらかで熱くて甘苦しくて

川上弘美(新潮社)

 「セックスと性欲のふしぎを描くみずみずしく荒々しい作品集」
と帯に書かれていて、一瞬購入をためらってしまった。そういうこともあって、ネット書店がはびこる(←ひどい言い草)のか。
 閑話休題。
 『aqua』が良かった。水面(みなも)という女の子の独白で物語は進む。小3から高校という、けっこう長いスパンの女子の日常が、細やかに描かれている。
 生理が始まっている子、いない子、ブラジャーをつけている子、いない子。放課後のこっくりさん。汗くさい男子。電車で遭う痴漢。友人と何気ない会話をしていても、まったく関係ない性にまつわることどもが頭をかすめる。
 この年頃の女の子のゆらぎが、まっすぐに表現されていて、懐かしいような胸苦しいような気持ちになった。
80点
 

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 5
6 8 9 10 11 12
13 15 16 17 19
20 22 23 24 26
27 28 29 30

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[04/06 まきまき]
[04/06 もか]
[03/25 まきまき]
[03/25 もか]
[03/25 まきまき]

プロフィール

HN:
まきまき
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析