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地球の中心までトンネルを掘る

ケヴィン・ウィルソン(東京創元社)

11の短編が収められている。
表題作の「地球の中心までトンネルを掘る」。
大学を卒業した3人の男女。無気力な日々を送っていたが、ある日突然、裏庭に穴を掘ることを思いつく。
一心不乱に穴を掘り続ける3人。いろいろな困難――掘った土の始末やら大きな岩やら――にぶつかるも乗り越えて、穴というかトンネルはどんどん拡張されてゆくが……。
学校は出たものの、その後どう生きていけばいいのか分からず、現実を棚上げして何かに没頭する。そんな生き方をしている若者に刺さるストーリーではないだろうか。
逃げてもいい、けれどその後は? の問いに対するひとつの答えも描かれている。

ほかに、親の相続権を奇妙なゲームで争うこととなった4兄弟の醜悪な姿を描いた「ツルの舞う家」が愉快だった。
4兄弟の祖母が日本人という設定だが、あまり好意的には描かれていない点が少し引っかかった。

クイズボウルに出場予定の2人の高校生。イケてない彼らは視聴覚機材室で日々練習に余念がなかったが、じゃれ合っているうちにキスをしてしまい……「モータルコンバット」。
2人の衝動、とまどい、哀しみが痛いほど伝わってきた。
95点

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