忍者ブログ

世界クッキー

川上未映子(文藝春秋社)

 エッセイ集。
 句点がない、長い長い文章があったりするが、不思議と読みやすかった。筆者には嫌がられそうだが、物事を考える順序が似ているのかもしれない。
 内容も面白かった。ぐずる子どもを一瞬で笑いのるつぼに叩き落とすワザ、とか。ベルリンの小熊・クヌートに関しての考察、とか。特に「!」と思ったのは、太宰治の小説についてのくだり。
 「太宰治の文章を再読すれば、どこも、一文字も、何にも、変えられない。……(略)『単語全員』が同時に安堵しているよう」。
 どんなに何げないシーンでも手を抜いてる感がまったくない、隙のない、それゆえ息苦しくなるような太宰の文章。彼の選択は唯一無二、まったく同感である。
90点
 
PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

カレンダー

10 2025/11 12
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 8
9 10 11 12 14 15
16 17 18 19 20 21
23 25 26 27 28 29
30

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[11/23 まきまき]
[11/23 もか]
[11/10 まきまき]
[11/09 もか]
[11/02 まきまき]

プロフィール

HN:
まきまき
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析