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センセイの鞄

川上弘美(平凡社)

 37歳の「私」は、高校時代の国語教師と再会する。あわあわと親密さを増してゆくふたり。

 これは素晴らしい。手放しで褒めちぎりたい。派手さのないストーリーのなかに見え隠れする、独特のユーモア、卓越した性格描写。
 たとえばこんなくだり。「小学生のころ、わたしはずいぶんと大人だった。しかし中学、高校、と時間が進むにつれて、はんたいに大人でなくなっていった。……(略)時間と仲良くできない質なのかもしれない。」
 平易な文章に才気があふれ出る。
 ふたりが紡ぎだすたゆたうような、しかし濃密な愛。静かで優しい愛。しんしんと心に染み渡った。
100点
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蛇を踏む

川上弘美(文藝春秋社)

 「自分にしっくりくる文章」というのが第一印象。かなりの不思議ワールドで、かっ飛んではいるものの、すんなりと分かりやすい。こういう内容の作品というのは、得てして難解な言葉が並んでいて閉口することが多いのだが、この作品は違っていた。
 あらすじは……やめておこう。実際、筋なんてどうでもいいと思える作品である。脳みそを弛緩させて、一語一語を楽しむ、そんな読み方が適していると思う。
70点

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