川上弘美(新潮社)
ニシノ君をめぐる10の連作短編集。
少年の、大学生の、社会人の、死ぬまぎわのニシノ君について、その頃関係のあった女性が彼について語っている。
女性の性格がまさに十人十色で興味深い。ニシノ君という人は、どんな女性でも好きになれるのか……と思いかけたあたりで
「どうやったら誰かを愛せるのか」なんて彼はつぶやく。どうやったらってあなた、そんなこと言っておきながら、すぐセックスしたがるのは問題では?
なんて私もついツッコミを入れたくなる。
一貫してつかみどころがなくて、ユーレイのようなニシノ君。まっとうな恋愛や結婚など、とても出来そうにもないニシノ君が、次第に哀れに思えてくる。
でも、どっこい彼は彼なりに「この世」と折り合いをつけながら、心地よく一生を送ったのかもしれない。悩みはあったって、いつもそれを聞いてくれる女性がそばにいたわけだから。
90点
ニシノ君をめぐる10の連作短編集。
少年の、大学生の、社会人の、死ぬまぎわのニシノ君について、その頃関係のあった女性が彼について語っている。
女性の性格がまさに十人十色で興味深い。ニシノ君という人は、どんな女性でも好きになれるのか……と思いかけたあたりで
「どうやったら誰かを愛せるのか」なんて彼はつぶやく。どうやったらってあなた、そんなこと言っておきながら、すぐセックスしたがるのは問題では?
なんて私もついツッコミを入れたくなる。
一貫してつかみどころがなくて、ユーレイのようなニシノ君。まっとうな恋愛や結婚など、とても出来そうにもないニシノ君が、次第に哀れに思えてくる。
でも、どっこい彼は彼なりに「この世」と折り合いをつけながら、心地よく一生を送ったのかもしれない。悩みはあったって、いつもそれを聞いてくれる女性がそばにいたわけだから。
90点
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