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八月の路上に捨てる

伊藤たかみ(文藝春秋社)

 敦は三十歳の誕生日に妻と離婚しようとしていた。一緒に自販機のルート配送をしている水城にその事実を打ち明けると、彼女は自身の離婚に絡めていろいろな話をするのだった……。

 これが芥川賞受賞作? というのが第一印象。冴えた表現はところどころあるが、逆に言うとそれだけ、な作品。
 文章も「?」だが、主人公もまたいただけない。女々しくて勝手で、これでは妻の知恵子がかわいそうだ。敦なんかと出会わなければ良かったのに。
 しかし、敦もまた知恵子と違うタイプの女性と結婚していたなら、普通に幸せになれたような気もする。二人は決定的に相性が悪く、互いが互いをダメ人間にする運命にあるようだ。
 もう一編の『貝からみる風景』のほうがましだった。主人公はスーパーの掲示板を読むことを楽しみにしているという。私もあれを読むのが好きだ。「人間の価値を下げてしまいそう」だと考える主人公に同意はできないが。
50点
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