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よしなしごとども 書きつくるなり
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石垣りん(理論社)



 石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。

 抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
 言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。

 選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
 彼女はこう言ったという。
 ……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。

 石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。

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梅佳代(リトルモア)



 写真集。
 何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
 犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
 小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
 オバサンってのは元気だよなぁ。
 というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。

 個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
 くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。

エドワード・ゴーリー(河出書房新社)



 冬の晩、あるお屋敷にヘンな生き物がやってくる。
 まるでアリクイみたいな風体。
 好き勝手にふるまうそいつは、一体何者なのか?

 モノクロの絵は暗いタッチで、屋敷に住む人たちの顔も陰鬱だ。
 ただ闖入者だけが、彼の瞳だけが、いたずらを楽しむ者に特有の愉悦に満ちている。

 また、短歌のような文章は、リズムにのって楽しく読めた。
 気に入ったものは池に投げ入れて「保護に尽力」なんて部分には苦笑させられた。

 このヘンな生き物は「すべての子供の比喩」と解説にあった。
 なるほど……それで納得。

イレーネ・ディーシェ、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー、ミヒャエル・ゾーヴァ(評論社)



 オーストリアに住むウサギの王子、エスターハージー。彼はお嫁さん探しの旅に出る。行き先はドイツのベルリン。
 「壁」の崩壊直前のベルリンで、彼が目にしたものとは。

 この本の魅力は何といってもミヒャエル・ゾーヴァの挿絵であろう。
 ウサギたちの愛らしいこと!
 列車の椅子にちんまりと座る姿。鏡の前で、豹柄パンツをはいてポーズをとる姿。野原で二匹のウサギが寄り添う姿。
 それらが深みのある色彩で、ぞくぞくするほど美しく描かれている。

 ベルリンの壁の崩壊について、ウサギがシニカルにつぶやく。「壊すなら、最初から作らなきゃいいのにさ」。
 主題は人間の愚かさか。だが不思議と説教臭さはない。

別役実・スズキコージ(ブッキング)



 丘のてっぺんに住む、人殺しをなりわいとする三兄弟。
 でももう十二年もお客がきていない。
 というか、三人は人っ子一人、殺したことがないのであった……。

 挿絵はスズキコージ氏お得意の極彩色、ではなく全編モノクロで描かれている。
 それが「人殺し」「拷問」といった、おどろおどろしい言葉の雰囲気を和らげ、キモ楽しい世界を作り上げている。

 終盤の、お婆さんが殺しのお願いをする部分がいい。
 殺しても死なない、しぶといお婆さん。
 これは「人の最期を人が決めるなんて傲慢」だという意味? それは深読みか?

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