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よしなしごとども 書きつくるなり
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シオドア・スタージョン(河出書房新社)

 短編集。表題作の『輝く断片』を紹介しよう。
 醜男で、誰からも相手にされない「おれ」。ある夜、彼は瀕死の女性を家に連れ帰る。必死で手当てをし、彼女が回復するまで献身的に看病する。だがその先に待っていた運命は……。

 同時収録の『マエストロを殺せ』には、生まれながらにして何でも持っている男が出てくるが、その対極にあるのが「おれ」である。
 ずっと「お前には用はない」と言われ続けた彼は、初めて自分を必要とする人間を得たのだ。異常な執着心、あふれるような熱意を彼が抱いたとしても、無理からぬことであろう。
 しかしそんな彼を容赦ないラストが待ち受ける。しかもその悲しい結末は、彼にもう少しの知力……せめて自分の想いを伝えられるだけの……があれば回避できたのである。
 そう考えると、この幕切れはあまりにも切ない。
75点
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